あまりにも美しい、東京の桜の満開の元でのレモン(小泉今日子)と廉司(浅野忠信)によるファーストシーン。花は風に舞い、やがて、雪は花のように散るだろう。後期・相米映画「あ、春」で“大人の映画”としての評価を得た相米慎二、その後の一作。ここにも新たな創造と感性が花開いた。その「風花」が「風花 4Kレストア版」として復活を遂げる。4Kの映像監修は本作のチーフ助監督だった高橋正弥が担当。故郷・北海道に残した一人娘の香織に5年ぶりに逢いに行く風俗嬢のゆり子。泥酔し、コンビニで万引きしたことから、自宅謹慎を命じられている高級官僚の廉司。廉司は酔った勢いからゆり子の北海道への旅につきあうことになり、二人のぎくしゃくとしたドライブが始まった。だが実家に着いた義父の「東京で何をしたか知らないわけじゃない。娘の香織に逢わせるわけにはいかない」という言葉に返す術もなく実家を後にする。廉司には上司からの一方的な解雇通告が。行き場をなくした二人は雪の残る山奥へと向かっていく――。相米映画に新しい流れが生まれた作品。小泉今日子と浅野忠信は、相米映画に初出演。阪本順治監督作品で知られる椎井友起子がプロデューサーを務めた。また、「鮫肌男と桃尻娘」などで知られた町田博はCMでのタッグを経て、初の相米映画のカメラマンに。一方で、相米映画のOBもズラリ。脇には鶴見辰吾、尾美としのり、寺田農、木之元亮、笑福亭鶴瓶(声)、柄本明らが出演。本作は2001年1月に公開。相米慎二は同年、9月9日に逝去。「風花」は相米慎二の遺作となった。
